「嘘でもいいから笑顔を」
大学を卒業してすぐに就職したのが今の職場です。就職したら即戦力で活躍してやると息巻いておりました。
僕自身、体育会あがりで、職場もそういうところでしたので、先輩とすれ違えば当然自分から挨拶をします。
しかし、僕が挨拶をしても、皆さんしかめっ面で、まるで睨みつけたり、蔑んだような目で見られる…。
「自分は(仕事が)できるはずだ」「自分はもうとっくに一人前だ」と思い込んでいた自分は、認められてない気がして不服でした。
でも、二年目にお世話になった上司から言われた一言で状況が変わりました。
「君はいつも怖い顔をしている。人に挨拶をするときは、嘘でもいいから笑顔を作りなさい」
そう言われたのです。
僕は正直納得がいきませんでした。「ウソの笑顔でどうすんねん」と。
それでも、その上司と動く以上、言いつけは守らなくてはなりません。ウソのつくり笑いに努める日々が始まりました。
そして、ある日、いつもしかめっ面しか返してくれなかった先輩が、挨拶をした僕に笑顔を向けてくれました。
はじめは不思議でした。
しかし、ふと気づいたのです。
「俺が笑顔だったから…?」
「もしかして、みんなしかめっ面だったのは、俺がしかめっ面だったから…?」
試しに、意識して笑顔で挨拶するようにしてみました。
そうすると不思議なことに、全員が笑顔を返してくれるではありませんか(笑)
そうです。しかめっ面の原因はすべて自分。
恥ずかしかったけれど、原因が自分だと解れば、すっきりもしました。
それからは尚更笑顔を心掛け、嘘も本当になってきた気がします。今の僕の笑顔は本心なのでどうか安心してください(笑)
そして、状況や環境がおかしいと感じたとき、「自分に原因がないか」と自己点検する習性も身につきました。
なにか・誰かのせいにして生きるのは生産性のないことです。自分の考え方や行動を変えることから始めるのが、やはり前向きなんでしょう。
『他人と過去は変えられない。自分と未来は変えられる』
やはりこれ、真理だと思うわけです。